どちらも大切です。
「可動域」の定義は難しく、これを「動かせる範囲」と捉えるのではなく、「関節が安定した状態で筋肉の伸び縮みが出来ている」ことが重要になってきます。
例えばスクワットの場合、必ずしもフルボトムのスクワットが良いわけではありません。
脊柱や腰椎の可動性が乏しい方がしゃがんだ際、早い段階で脊柱が丸くなってしまうケースも多いです。
そうした場合、「可動性=動かせる範囲」ということだけを考えてフルスクワットを実施すると、股関節が曲がらずに。膝関節の屈曲でフルにしゃがみ込もうとします。
これでは正座をするときのようなしゃがみ方になり、膝に負担がかかってきます。
「可動域が大事」といってフルスクワットに拘るよりも、脊柱が骨盤からまっすぐ安定した状態で股関節を屈曲できるスクワットのほうが体幹も安定し、推奨できます。
つまり、対象筋の伸び縮みをしっかりと感じながら、重さを挙げていくのが基本になります。
例えばお尻やハムストリングを刺激することを目的としたルーマニアンデッドリフトを実施する場合、ハムストリングや脊柱が固い方が股関節を曲げていくと、早い段階で背中が丸くなってきます。
背中が丸まると、ハムストリングの膝周り(停止部付近)に使役がいき、ハムストリング全体やお尻を十分に刺激できません。
ここでは、股関節を屈曲させるときに骨盤から頭までが一直線の状態を保ったまま股関節を屈曲していきます。そのほうがハムストリング全体やお尻に聞かせることが出来ます。
ただし、前提条件として、そこには「股関節をしっかりと曲げられるだけの柔軟性や可動性」も必要になります。